SCROLL
古代若狭塗や螺鈿をはじめとする、福井県小浜市に受け継がれる箸づくりの伝統技術に敬意を込めながら、現代のライフスタイルや価値観にふさわしい箸のあり方を問い直し、新たな解釈で作り上げていく。
「HAJIME」それは、若狭塗箸400年の歴史の先に新たな未来をはじめるカワイのフラッグシップブランドです。
若狭塗箸を現代の感性で解釈し直し、より自由で大胆な発想から創るラインナップ。
詳しく見る
先人たちが若狭の地ではじめた伝統工芸品・若狭塗箸の技法を現代に伝えるラインナップ。
詳しく見る
そんな、HAJIMEの箸になくてはならない「作り手たち」に、
それぞれの想いを語ってもらいます。
企画開発
伝統工芸品と聞くと、高級で日常使いをするには躊躇してしまう。そんな、どこか敷居の高いイメージを持たれがちな若狭塗箸に、もっと楽しんで手に取りたくなる、身近なカトラリーとしての息吹を吹き込むこと。HAJIMEの箸づくりを通じて私たちが目指すのは、伝統技法の再構築です。
「堆朱 四季彩」に代表される通り、塗りや研ぎ出しの技法そのものは古典的でありながら、パステルカラーなどの鮮やかな色合いを大胆に施すことで、塗箸の固定概念を覆す新しい表現に挑んでいます。
箸という限りある面積の中に繊細な色の重なりを生み出すには、経験に裏打ちされた職人の手技が欠かせません。実際の仕上がりは形にしてみなければ確認することができないため、サンプルを作っては検証と改良を繰り返し、半年がかりでようやく完成にたどり着きました。
たかが箸に、私たちはなぜそこまでこだわるのでしょうか?それは箸がただの道具ではなく、食卓を彩る重要なパーツだと信じるからです。お酒を飲む時に、薄口のグラスでいただくとよりおいしく感じられるように、食器には味の感じ方や気分に彩りをもたらす力があります。箸を変えることで、食という毎日の当たり前が少しでも豊かな時間になってほしい。そう願うからこそ、私たちは「たかが箸」に真心と情熱を込めるのです。HAJIMEを手に取って、箸づくりに生きる作り手たちの想いを感じてもらえたら、こんなに幸せなことはありません。
職人
やっと、やっと納得のいくものができた。手塩にかけた箸が完成した時の喜びは、かけがえのないものです。HAJIMEという名前に表されているように、このブランドには私たちがはじめて製造に挑んだ意欲的な商品が数多くあります。
その中の一つが「螺鈿 煌彩」。粉末状にしたアワビ貝を散りばめることで放たれる、一点物の幻想的な煌めきが魅力の箸です。
一見、簡単そうな加工に見えるかもしれませんが、独特の光彩を表現するには貝と塗料の絶妙なバランスが物を言います。貝を細かく砕くほどきめ細かな粉末になるものの、塗料に浸すと沈みやすく、逆に貝の粒度を荒く大きくするとゴツゴツした異物感が出てしまうのです。
さらに、塗りや研ぎ出しの作業は基本的に一日に一工程しかできず、一膳が完成するまでに場合によっては数ヶ月かかります。製造に手間がかかることから、最近では製造する職人の数も少なくなりました。それでも私たちがこの箸にこだわるのは、自らの限界を超えるためです。
営業
箸は、食卓の名脇役。毎日を大きく変えるものではないけれど、主役である食事を引き立て、暮らしの質を少しだけ高めてくれる。その魅力や背景にある手仕事の価値を、一人でも多くの方にお届けしたい。HAJIMEは、そんな私たちの想いから生まれました。
若狭塗箸の伝統と未来をテーマに、「古（INISHIE）」「異彩（ISAI）」の2シリーズからなるこのブランドの魅力は、機械化が進む箸業界において、一膳一膳に手間を尽くすクラフトマンシップにあります。一般的な箸が約10数回の工程で完成するのに対し、職人が幾度も塗りを重ねるHAJIMEの箸は、製造に100以上の工数を要するものも少なくありません。
たとえば私が企画にも関わった「凛花」は、持ち代に施された可憐な花が特徴的な一膳。ハンドメイドならではの温もりのある風合いを求めて、葉の絵付けや花びらの模様付けなどをすべて手作業で行っています。
美しい花柄、指に馴染むぷっくりとした質感をいかに表現するか。職人たちと対話を重ね、試作を繰り返しながら理想を具現化していきました。
400年の歴史の中で表現技法の多くはやり尽くされたと言われる若狭塗箸ですが、このように創意工夫を凝らすことで、進化の余地はまだまだあります。だからこそ今までにない箸の創造に挑み、暮らしに新たな喜びを提案していきたいですね。
HAJIMEを通じて、こだわりや愛着を持って箸を選ぶ人の輪が大きくなり、やがて世界中の食卓に広がっていく。そんな未来を、私たちは本気で夢見ています。
お客様
箸や食器を選ぶ時、使いやすかったり洗いやすいことはもちろんですが、毎日使うものだからこそ、手元に置いた時の心地良さや愛着を持って使える見た目も大切なポイントだと思います。
たとえば、シンプルだけど食卓や料理に馴染む飽きのこない質感だったり、テーブルに並べるだけでおしゃれで気分が上がるデザインだったり。モノとしての実用性だけでなく、日々の暮らしをちょっと良くしてくれる、そんな魅力的なアイテムに出会うと嬉しくなりますね。
若狭塗箸には、職人の手仕事で作られた質の良い箸というイメージがあります。一方で、伝統工芸品という言葉の響きから、どこか手を伸ばしにくい印象があったのも事実。HAJIMEを目にした時に感じたのは、そうした先入観を覆してくれる新しさと期待感です。
「螺鈿」のキラキラした輝きが、まさか貝を使って表現されているなんて驚きましたし、グラデーションが映えるデザインの箸も今っぽくて好きです。まさに伝統と歴史を感じるものから、箸とは思えない斬新な色合いのものまで、同じ箸なのにこんなにもたくさんの作り方があるんですね。
家族で色違いを揃えてみたり、親世代にはシックな色の箸を選んでギフトで贈ってみるのも良さそう。箸を通じて、暮らしの楽しみが広がっていきそうで何だかワクワクします。これからも、伝統工芸品の新しい魅力に気づかせてくれる一膳との出会いに期待しています。
作り手たちの作品を、
ぜひご覧ください。
